ROBOT PAYMENT TECH-BLOG

株式会社ROBOT PAYMENTのテックブログです

星取表のすすめ

ROBOT PAYMENTエンジニアのkanemotoです!請求管理ロボの開発を担当しています。
このたび、私たちはチーム異動を経験し、新しい環境での開発活動に取り組んでいます。
この記事では、その変化と新しい取り組みに焦点を当ててお話ししたいと思います。

課題

新しいチームに参加するにあたり直面した主な課題は以下の通りです:

  1. システム構造の理解不足:ドメインごとの全体像を把握するための資料が不足してしていたため、メンバーは既存の知識を頼りにして「背中で学ぶ」状況でした。

  2. メンバーのドメイン知識の不均一:ドメインごとの理解度が不均一で、特定分野の専門家が不足していたため、問題発生時の対応が困難でした。

  3. 場当たりな知識共有:新メンバーのオンボーディングにおいて、サービス知識の共有が場当たり的で、効率的な知識伝達ができていませんでした。

  4. ドメイン知識向上の機会不足: 開発チケットが少ないドメインでの知識向上が困難でした。

これらの課題を解決するために、私たちは「星取表」の導入を決定しました。これにより、各メンバーのドメインごとの理解度を可視化し、知識のギャップを埋め、チーム全体としての対応能力を向上させることを目指しています。

対策

「星取表」

新たな取り組みとして、私たちは「星取表」を導入しました。 この手法は、チームメンバーのシステム知識を可視化し、スキルアップを促進すると同時に、将来のメンバー変動があったとしても知識の共有を容易にすることを目的としています。

理解度の基準と方法

システム開発におけるチームの効率と成果を最大化するためには、メンバー各自の理解度を明確にし、適切な優先順位を設定することが重要です。以下のステップに従って、チームの知識レベルを評価し、最適な開発計画を立てました。
具体的なステップは以下の通りです
- 機能一覧の作成: システムの関連機能を網羅的にリストアップします。
- 理解度の評価: 後述の理解度の基準を元に各メンバーが理解度を自己判断で入力します。
- 優先度の決定:チームとして優先的に理解を深める機能の優先度を決定します。チーム内で理解度の偏りが大きな機能や機能の重要度に応じて順位を決定します。

理解度の基準

私たちのチームでは、機能一覧に対してはじめに評価する際、各メンバーのシステムに対する理解度を次の基準で評価しました。
- ☆: 業務を深く把握しており、高度な問題解決が可能。
- ◯: 業務の概要と仕様を理解し、独立して開発を進めることができる。
- ↑: 仕組みを理解しているが、開発においてはサポートが必要。
- ✕ : 仕組みをこれから理解していく。

知識の定着と応用

当初、私たちはドキュメント作成に重点を置いていました。このアプローチでは、各メンバーが関連ドキュメントを作成し、システムの機能やプロセスを詳細に記録することで、チーム全体の知識ベースを構築しました。しかし、この方法だけでは、実際に知識が定着したと錯覚しやすいことがわかりました。
そこで、以下の手法を取り入れることにしました

テストによる確認: 星取表で☆の数が少ないドメインについては、該当するメンバーがテストを作成し、そのテストに答えることで、実際の知識レベルが向上しているかを評価します。テストの結果が、学習の成果として定義されます。

  1. 理解度の評価:☆になっている担当者がテストを作成し、×の該当者はテストを実施しスキルアップを目指します。
    私たちのチームではテスト実施時により、理解度を向上したとする基準を下記として評価することにしています。

-10問中8問=↑
-10問中7問以下=×

このプロセスを経ることで、実際の問題解決能力が高まり、メンバーは自信を持って業務に臨むようになります。そして、この取り組みによって、私たちのチームはシステムに対する深い理解を共有し、より効率的で効果的なオンボーディングと知識の伝達が可能になりました。

結果

  1. システム構造の理解不足: 星取表の導入により、各メンバーのシステムに関する理解度が可視化されました。これにより、どのドメインが強化が必要かが明確になり、関連資料の整備やトレーニングが効率的に行われるようになりました。

  2. メンバーのドメイン知識の不均一: 星取表を用いた当初、メンバーは星を一つでも埋めるために、多くの事前知識のインプットに時間を費やす必要がありました。特に一つのドメインに深く没入する過程では、知識の獲得にかなりの時間と努力が必要でした。しかし、一度そのプロセスを経験すると、同じ方法論や概念が別のドメインにも応用できるようになり、知識の向上が加速し始めました。

  3. 場当たりな知識共有: 星取表を活用したことで、新メンバーのオンボーディングが効果的になりました。より計画的で体系的な知識の伝達が可能になりました。

  4. ドメイン知識向上の機会不足: 星取表の導入により、開発チケットの割り当てが少ないドメインに関しても、知識向上の機会を作り出すことができました。実際の開発経験がなくても、理論的な知識の充実と理解を促進し、チーム全体のドメイン知識を向上させる重要な役割を果たしました。

振り返り

星取表を通じてチームでの各ドメインの理解レベルと課題感を浮き彫りにすることができました。
知識レベルを向上させたいドメインの開発に携わらない時、どうしてもその機能の理解度が向上しにくいケース等もあるかと思いますが星取表でその課題を解消することができます。

まとめ

この記事を通して、私たちROBOT PAYMENTのエンジニアチームがどのように進化し、成長しているかをご紹介しました。新しいチーム構成での変化、星取表導入とその効果、メンバーそれぞれの成長や学び、これら全てが私たちのチームをより一層強固なものにしています。
ROBOT PAYMENTでは、ボトムアップで開発の手法を見直したりと、意見しやすい風通しの良い環境が整っています。
以上、ROBOT PAYMENTエンジニアのkanemotoがお送りしました。ご一読いただきありがとうございました。



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