こんにちは。CPO兼CTOの田本です。 ROBOT PAYMENTでは定期的に輪読会を行っています。 なぜやっているかの記事はこちら。 tech.robotpayment.co.jp
去年まではエンジニア全員で行っていましたが、今は各チームごとの有志で行っています。 今回は、現在急拡大中のプロダクト課(プロダクトマネージャー、UI/UXデザイナーが所属しているチーム)で「UXデザインの教科書」著者:安藤昌也さん を輪読しましたのでその紹介になります。
今回の輪読会について
今回の輪読会は以下のような形で進めました。
参加人数:5名(PM3名、デザイナー1名、PMインターン1名) 期間:4ヶ月(3月〜6月) 頻度:1週間に1回1時間 進め方: - 事前準備 - 発表者は章の内容をスライドにまとめる - 参加者は章を読んでくる - 当日 - 発表者はスライドに沿って担当の章を発表 - 参加者同士でディスカッション
業務として行っているので事前準備と当日の時間はもちろん業務時間内です。 参加人数は最大5名くらいがちょうどいいですね。オンラインなので人数が多いとディスカッションしにくいです。 頻度も進め方も良かったのですが、期間が少しかかりすぎました。 業務の合間を縫ってなのでゆるく長く続けられてよかったのはありますが、もう少し担当の章を多くして期間を短くした方が内容を忘れなくて良さそうです。2ヶ月くらいにできるといいですね。
UXデザインの教科書はどんな本?
優れたUXをデザインするための理論とプロセス、手法に関する知識が解説されている本です。 UXデザインを一つの学問領域として捉え、その名のとおり教科書的に学ぶことができます。 広い領域で一つずつ具体例を取り入れて解説されているので、初学者の方はこれを読んでおけば「UXデザイン理解した〜」と言えるようになると思います。
よくある 全然わからん→少しわかる→完全に理解した→なんもわからん の、完全に理解したになれるでしょう。
実務経験のある方は、自身の経験を振り返りながら読むことで、必要な知識や体系をさらに強化できると思います。
まさに教科書なので、一人で読むと諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。多分私もその一人です。 チームで輪読すると最後まで読むことができるうえに各トピックごとにディスカッションでき学びを深められることができます。輪読会にぴったりの本と言えるでしょう。
本書の構成
1章から4章の構成となっており、順に読み進めると体系的にUXデザインの知識を学ぶことができます。 1章「概要」2章「基礎知識」3章「プロセス」4章「手法」となっています。
本書の具体的な内容すべてをここでは書けないため、個人的にUXデザインの概要の全体像を掴むのにわかりやすかったものの触りのみ紹介します。
UXデザインの基本フレーム
UXデザインにはデザインする相手として「ユーザー」「製品・サービス」「ビジネス」の3つの主体があり、特にユーザーと製品・サービスとの関係が重要です。 そして「デザインの対象領域」「デザインの実践」「デザインの理論」と3つのデザインの要素区分があります。
UXデザインはユーザーと製品・サービスの間にあるデザインの実践であり、ユーザーの体験をデザインするものです。
よくサービスデザインとUXデザインは何が違うの?という話があります。UXデザインは、よりユーザーの視点に力点を置いて詳細にデザインする。サービスデザインは、よりビジネスの視点に力点を置いて詳細にデザインする、という話がありしっくりきました。
UXデザインプロセス
UXデザインの基本プロセスは7つに大別されます。
業務で細かくすべてをやるのは大変ですし、全てを必ず実施する必要はないですが、このプロセスの全体像を意識してメンバーと進めていくと立ち位置が整理しやすくわかりやすくなると思いました。
UXデザインの取り組み方
UX デザインの取り組み方として、大きく3つの話がありました。 1. チームの共同作業を通した共通認識の醸成 2. 良いデザインプロセスとよい意思決定は別次元 3. 組織全体の意識変革の必要性 この3つを組織全体で理解することがよいUXデザインの第1歩となると感じました。
輪読会を終えて
輪読会が終わってから最後にみんなで所感を書いたので一部紹介します。
全体的な感想
- UXデザインプロセスの割と詳細なところまで知識として入れることができて、UXデザインに対する解像度が上がった
- 1人で読んでたら完走できたかあやしい
- タイトルが教科書だけに、体系的に学べた。
- 内容がボリューミーなので普通に読むと流してしまうような箇所が多いが、輪読会で一つずつ細かく確認できたので、輪読会と相性のよい本。
- 広く深い知見が得られた。
- UXデザインとは〜評価までの一連の流れを学べた。
- それぞれの細かい手法や評価方法はまた別途インプットをしないといけないと感じたが、UXデザインの入口としてよかった。
- UXデザインを網羅的にやろうとすると、身につける知識も実践に要する時間も膨大だと感じた
- 全てを教科書的にやるのではなく、必要に応じて部分的に組み込んで行くのが望ましいと思う
- そのためには、プロジェクト状況の把握と達成したいことの整理、それらを繋ぎわせるために最適なUX手法の提案ができるようにならないといけない(自戒)
- UXの教科書的な内容を一通り知ることが出来た
- 感想を語り合うことで理解を深めることが出来た
何を一番得られたか?一つだけ。
- ユーザビリティ評価に関する手法・進め方の理解
- UXデザインの理想的なプロセス
- UXデザインの体系的な手法
- 輪読会の活用方法
何を組織で実践していきたいか?一つだけ。
- なんとなく使いにくいプロダクトの使いにくさを可視化・改善して、プロダクトに反映したい
- UXデザインとはを学ぶための勉強会
- 利用者のアンケート&ユーザビリティテスト
- 新規開発時に必ず「利用文脈とユーザー体験の把握」のプロセスを入れること。
- 手法を一つ実践してみる(できれば他チームを巻き込んで)
次回の輪読会に向けての改善点
- 難易度はかなり高めだったので、予備知識が必要だったかもしれない
- →予備知識を得る会やステップを挟むなど
- 輪読会の流れは非常によかった。1回をもう少し長くして早く読み終わるようにしてもよいかも?
- 本の内容がボリューミーでまとめるのが大変、そして時間がかかってしまったので、もっとライトに学べてディスカッションできる題材を見つけたい
- テーマ(この本を読んで何を得たいか)が事前にあると良いかも
- 難易度はかなり高めだったので、予備知識が必要だったかもしれない
まとめ
輪読会の資料はGoogleスライドにまとめていったのですが、計250ページの大作となりました。 本記事はUXデザインの触りの触り(多分100万分の1くらい)となりましたが、興味ある方はぜひ本書を輪読いただければと思います。 ROBOT PAYMENTでは今後もチームと個人の学びを大切に様々な取り組みを実施していきます。
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