ROBOT PAYMENT TECH-BLOG

株式会社ROBOT PAYMENTのテックブログです

「決定力!正解を導く4つのプロセス」を読んだ

こんにちは。ROBOT PAYMENTでプロダクトマネージャー(PM)をしている中尾です。
オンラインのコミュニティでおすすめされていた本がとても印象的でしたので紹介します。
決定力! :正解を導く4つのプロセス

PMをしていると、プロダクトに関わる何かを決めなければならないことが頻繁にあります。
どうすれば意思決定を間違わないようにできるか?が本書のテーマです。

メリットとデメリットの検討は間違い

何かを決めなければならない時、すべきか否かについて、利点と欠点をリストアップして総合的に判断する、というアプローチがよく知られています。しかし、本書はそれは間違っているといいます。意外ですね。

別に逆張りをしているわけではありません。
人間はそもそも意思決定を誤りやすく、陥りやすい罠があるので、どんな罠があるかを理解したうえで、それを打ち消すことが大事だ、という主張です。

4つの罠

意思決定には4つのステップがあります。
1. 選択肢に直面する
2. 選択肢を分析する
3. 選択する
4. 選択の結果を受け入れる

それぞれのステップで罠があります。
1. 選択肢に直面する。でも、「視野の狭窄」によって選択肢を見逃してしまう。
2. 選択肢を分析する。でも、「確証バイアス」によって都合の良い情報ばかり集めてしまう。
3. 選択する。でも、「一時的な感情」によって間違った選択をしがちになる。
4. 選択の結果を受け入れる。でも、未来の出来事について「自信過剰」に陥りやすい。

視野狭窄の例

ある小さな会社のIT責任者を解雇するかどうか迷っている経営者の事例が紹介されます。
必要最低限の仕事しかしない。頭の回転は早く、技術的な問題を解決するのも得意だが、率先して仕事をすることはなく、態度が悪く、会議では同僚へ辛辣な言葉を投げつけている。彼を解雇すべきか否か?

この事例は本書の書き出しに出てくるのですが、この下りを読んだ時、解雇したほうが良いかもしれないと考え始めている自分がいました。しかし次の段落で、早急に結論を出そうとすることが私達人間の特性だと説明が続きます。
私達は、目の前にある情報を重視しすぎ、視界の外にある情報を考慮しない傾向があり、これをスポットライト効果とよんでいます。

メリットとデメリットを検討することが間違いなのは、〇〇すべきか否か、という問い自体に問題があり、偏った選択肢である可能性があるからです。

スポットライトの外側を意識して情報を集めると、彼の同僚はつっけんどんな態度を嫌がっていないかもしれないし、上司に問題があるかもしれない。解雇する以外にも、より難しい課題に挑戦してもらったり、指導者をつけることで問題が解決するかもしれません。
こうした情報や選択肢に目を向けたほうが、よりよい意思決定ができることは間違いないでしょう。

罠を打ち消す方法

4つの罠に対してのアプローチが、具体的なツールとともに詳しく紹介されています。
「視野の狭窄」には「選択肢を広げる」
「確証バイアス」には「仮説の現実性を確かめる」
「一時的な感情」には「決断の前に距離を置く」
「自信過剰」には「誤りに備える」

ここでは紹介しきれませんが、非常に納得できる内容でしたので、興味がある方はぜひ本書を手にとってみてください。

意思決定を行う際に、紹介されているツールをうまく使いこなすことは簡単ではありません。 しかし、意思決定を行う際の罠を少しでも意識できていると、質を上げていくことはできるでしょう。

日々の決定の質が少しでも良くなっていくように、意思決定の罠に意識的でありたいです。



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