Redashのバージョンを7から10にして良かったこと
こんにちは、株式会社ROBOT PAYMENT(以下、ロボペイ)で請求管理ロボのCREを担当している山下です。 今までCREについていくつか記事を書いてきましたが、前回の記事で紹介したRedashのバージョンアップについて、 良かったことを書いていこうと思います。
Redashのバージョンアップ tech.robotpayment.co.jp
ROBOT PAYMENTのCREを考えてみた tech.robotpayment.co.jp
① UIの大幅変更
V8からV10への変更における一番大きな違いは、ユーザーインターフェース(UI)の変更です。V10では、メニューバーが上部から左部に移動し、縦型の配置になりました。この変更により、UIはより洗練され、新鮮な印象を与えるようになりました。
UIの見やすさについては個人の感じ方や好みによるところもあります。
ただカスタマーサクセス(以下、CS)からも見やすくなったという反響があったので、おそらくみやすくなったんだと思います!
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②権限のグループ設定
V8にバージョンを上げたことで、ユーザーページからグループの編集ができるようになりました。
以前はUIからの編集ができず、admin/default/viewerの3つのみの権限グループで運用しておりましたが、
新しいグループを簡単に作成することが可能になりました。
この新機能により、各部署が必要な情報に対して適切な権限を与えることができるようになりました。
従来は、3つの権限グループにしか権限の設定ができなかったため、データソースが複数ある場合には特定の部署やユーザーに適した権限設定が難しかったかもしれません。しかし、V8以降は新しいグループを作成できるようになり、さまざまな部署やユーザーに対して適切な権限を設定できるようになりました。
この機能により、セキュリティレベルが上がり、
部署ごとに必要な情報に対して厳密な権限を設定することで、機密性やデータの保護が強化されました。
新しい権限グループの導入によって、より柔軟な権限管理が可能になり、組織全体の情報セキュリティを向上させることができたと言えます。
③クエリ関連のアップデート
Redashのバージョンアップにより、クエリの機能も強化されました。以下に、主なクエリのアップデート内容をご紹介します。
- ドロップダウンパラメーターで複数の選択が可能になりました。
- ドロップダウンパラメーターの値を検索できるようになりました。
- 動的な日付や日付範囲を指定するパラメーターが利用できるようになりました。
- 「limit 1000」のチェックボックスが追加されました。
中でも、私個人が特にありがたいと感じたのは、ドロップダウンパラメーターの改善です。
クエリパラメーターの中には、「Query Based Dropdown List」という選択肢があります。これは、別のクエリの結果をドロップダウンパラメーターとして利用する機能です。
例えば、IDやユーザーの検索クエリを別で用意しておくとその結果をドロップダウンの選択肢として表示できます。
ただし、これまでは複数選択ができなかったため、利用の幅が限られていました。そのため、気になっていましたが、今回のアップデートにより、ようやく「Query Based Dropdown List」を有効活用できるようになりました。
さらに、ドロップダウンの選択肢に対して検索機能も追加されたため、「Query Based Dropdown List」で取得した結果の数が多くても、検索して選択できるようになり、かなり使いやすくなりました。
その他にも、クエリにlimitを記述するのは意外と面倒だったようで、「limit 1000」のチェックボックスが追加されたことで、CSからは喜びの声がありました。
- 「Query Based Dropdown List」
④データソースの追加
Redashのバージョンアップによって、主にAWSのデータソースであるCloudWatch Logs Insightsの追加が一番のメリットで、これにより効率が大幅に上がりました。
CloudWatchはAWSの監視およびログ管理サービスであり、アクセスログやシステムログなどを確認できます。以前はAWS自体でログの確認が可能でしたが、CSとしては定期的にログ確認の依頼が発生し、対応に時間と運用コストがかかっていました。しかし、Redashのバージョンアップにより、CloudWatchがデータソースとして追加されたことで、システムへのログインを必要とせずに必要な情報をCSが取得できるようになりました。
これにより、CSは迅速にログ情報を取得し、必要な対応を行うことができるようになりました。また、システム側としても運用コストが削減され、効率的なログ管理が可能となりました。
また、CloudWatch Logs Insights以外にも他のデータソースが追加されているため、機会があれば利用してみたいと思っています。
⑤その他活用していきたい機能と弊害
これはバージョンアップと関係ないのですが、Redashの機能にはAPIとSAML認証があります。
APIを介して他のサービスとデータ連携することができ、CSが利用する分析ツールに自動的にデータを反映させることができます。
また、SAML認証はセキュリティレベルを向上させるための手段として利用できます。
ただし、IP制限に関する課題が存在するようです。Redashでは重要なデータを扱うため、IP制限を設けて外部からのアクセスに制限をかけています。この制限がAPIの利用に影響を及ぼしているようです。
一方、SAML認証に関してはIP制限と関係なく動作するはずなため、認証システムのサポートに問い合わせ中ではありますが、APIについてはおそらくどうしようもないので、他の解決策を模索している状況です。
今後もCREとしてCSの運用負担を減らせるようにツールの改善をどんどん行っていければと思います。
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