こんにちは。ペイメントシステム課でサブスクペイの開発・運用を担当しているテックリードの加藤です。
サブスクペイは、BtoBtoCの業務系かつ決済領域に特化した決済代行SaaSです。年間の決済件数は約1,500万件、リクエスト数は約1億件規模で稼働しています。サービス開始から約20年が経過した現在、技術的負債の解消とモダンアーキテクチャへの移行を進めており、まさに開発者にとって貴重な経験が得られるプロダクトの転換期にあります。
そのため、サブスクペイでは現在、C#エンジニアを積極的に採用しています。
この記事が少しでも興味を持つきっかけになれば嬉しいです。ぜひご一読のうえ、ご応募をご検討いただければ幸いです。
この記事では、サブスクペイで即戦力として評価されるために必要な知識・経験・スキルを、実務に即した観点から私の個人的な見解として整理します。
具体的には、「可読性の高い実装とは何か」「大量データ処理の設計とパフォーマンス改善」「プロダクト視点での提案力」といった観点を中心に、実際の開発現場で求められるポイントをまとめます。
この記事を通じて、サブスクペイで活躍するためにどのスキルを強化すべきかを考える指針としていただければ幸いです。
サブスクペイが求める3つの力
サブスクペイの開発では、「コードを書ける」だけでは評価されにくい場面があります。
テックリードとして、私が即戦力として期待するポイントは、主に次の3つです。
- 可読性の高い実装
- 大量データを効率的に扱う力
- プロダクト思考を持ち、提案できること
それぞれについて、順に解説していきます。
1. 可読性の高い実装 — 「説明できる」ことがまず重要
可読性はチーム開発における保守性に直結します。自分の書いたコードを数年後に別のエンジニアが改修するかもしれないことを、常に意識しておくと良いでしょう。 「可読性が高いとは、具体的に何か?」と疑問に思う方も多いかもしれません。正解は一つではありませんが、重要なのは自分なりの基準を持ち、それを言語化してコードに反映できることです。
私が特に意識しているポイントは以下の4つです。
- 単一責任:関数やクラスの役割をできる限り一つに絞る。
- 意味のある命名:名前から意図が伝わるようにし、コメントは最小限にする。
- ネストの抑制:ネストを浅くし、早めに
returnして処理の意図を明確にする。 - 副作用の抑制とテスト:副作用を減らし、ユニットテストで動作を担保する。
これらはあくまで一例です。プロジェクトの背景やチーム方針によってベストプラクティスは変わります。
2. 大量データ処理の実装とパフォーマンス改善
サブスクペイでは扱うデータ量が多いため、思わぬ箇所がボトルネックになることがあります。 まずは「どの処理に、どの程度の時間とリソースがかかっているか」を正しく観測することが出発点です。
観測 → 原因の切り分け → 対策 → 効果検証のサイクルを丁寧に回すことが何より重要です。
ここでは、よくある例として「検索結果をCSVに出力する処理」を取り上げ、各段階で注意すべきポイントを整理します。
処理を分けて考える
処理は次の3つの区間に分けて考えると整理しやすいです。
- 検索(DB側の問い合わせ)
- 検索結果の受け取り・保持(アプリ側)
- CSVなどへのシリアライズ(文字列生成・出力)
それぞれの区間について、「処理時間」「メモリ使用量」「DBのI/O・CPU負荷」を観測してみてください。主に確認すべき指標はレイテンシ、1行あたりの処理時間、メモリ増加量などです。
DB検索時の基本的な注意点
- インデックスの利用状況を確認する:実行プランで
Index SeekかIndex Scanかを確認し、必要に応じてクエリやインデックス設計を見直します。 - 取得カラムを最小限にする:
SELECT *は不要なデータ転送を招くため、必要なカラムのみに絞ります。 - 結合を複雑にしすぎない:複雑な JOIN で一括取得すると DB に負荷が集中し、アプリ側での結合は N+1 問題で往復が増えます。計測を前提に、並列化やアプリケーション層への負荷移譲は、効果と保守性のバランスを見極めたうえで必要最小限にとどめます。
アプリ側での受け取り・格納
「すべてのデータを一度にメモリに展開しない」ことが重要です。
SqlDataReaderやIAsyncEnumerable<T>などを使えば、逐次処理でメモリ消費を抑えられます。
- 処理内容(検索頻度・順序・重複チェックなど)に応じて、
List<T>/Dictionary<TKey,TValue>/HashSet<T>など適切なコレクションを選択する。 - 可能であれば「読みながら処理し、そのまま書き出す(ストリーミング)」方式を採用する。ただし実装が複雑化しやすい点には注意が必要です。
CSVなどの文字列生成
大量データをstring連結で扱うと、C#のイミュータブル特性によりメモリとCPUコストが増大します。
以下の方法を検討すると効果的です。
StringBuilderやTextWriter(例:StreamWriter)を用いて、行単位で効率的に出力する。- 行ごとに出力(ストリーミング):1行を読み込むごとに即時出力することで、全件を保持せずに済み、メモリ効率が向上します。
3. プロダクト思考を持って提案できること
単に指示どおりに実装するだけでなく、その実装がユーザーにどんな価値をもたらし、事業や運用にどう影響するかを考える姿勢が求められます。
まず「ユーザーにどう感じてほしいか(理想の体験)」を起点に目的を明確化し、そこから逆算して実装を設計することを意識すると良いでしょう。
まとめ
サブスクペイでは、単にコードを書くだけでなく、プロダクト全体の価値を理解しながら開発できるエンジニアを求めています。
技術的な正しさを追求するだけでなく、可読性や保守性、ユーザー体験、そして事業インパクトまでを見据えて考えられることが、即戦力として活躍するための鍵です。
本記事で紹介した3つの力――可読性の高い実装、大量データを効率的に扱う力、プロダクト思考を持って提案できる力――は、いずれも現場で価値を発揮するための基盤となるスキルです。
もし、これらの考え方に共感し、サブスクペイというプロダクトの成長を一緒に支えていきたいと感じていただけたなら、ぜひエントリーをご検討ください。
プロダクトの進化とともに、自身のエンジニアとしての成長も実感できる環境を整えています。
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